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中国、金門周辺の巡回常態化発表 学者「水域進入なら深刻な挑発行為」/台湾

2024/02/20 11:54
金門周辺の禁止水域と制限水域(中国語は限制水域)の範囲を示す略図
金門周辺の禁止水域と制限水域(中国語は限制水域)の範囲を示す略図

(台北中央社)中国の海警局は18日、福建海警局が金門周辺を含む海域でパトロールを常態化すると発表した。金門は中国福建省に近い中華民国(台湾)の離島。専門家は、中国当局の船が台湾の離島周辺の禁止水域や制限水域に進入すれば、これは主権を犯す深刻な挑発行為となるとの見方を示している。

金門周辺の海域では14日、海巡署(海上保安庁に相当)の巡視艇による追跡を受けていた中国船1隻が転覆し、中国人乗組員4人のうち2人が死亡する事故が発生。中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)は17日、両岸(台湾と中国)の漁業従事者は昔から金門やアモイ周辺の海域を伝統的な漁場としており、「いわゆる禁止水域や制限水域は元から存在しない」とする声明を発表していた。

中国の軍事情勢などに詳しい台湾大学政治学科の陳世民副教授(准教授)は中央社の取材に対し、海警局は声明発表後には必ず行動に移すと指摘した上で、重要なのは事態を拡大させる意図があるかどうかだとの考えを示した。

国台弁が禁止・制限水域について「存在しない」としたことに関しては、政治的な操作を通じて台湾の主権や法律を執行する権力を否定することで、台湾海峡を中国の「内海」にしようとする狙いがあるとした。また、頼清徳(らいせいとく)副総統が5月20日に総統に就任するのを前に、中国が台湾に対して圧力をかける行為は日に日に増していくだろうと述べた。

淡江大学中国大陸研究所の趙春山栄誉教授は、中国が台湾海峡の暗黙のライン「中間線」から禁止・制限水域まで、台湾の権力を否定することで中国当局の正当性を示す「法律戦」を仕掛けているのは疑いようのない事実だと指摘。中間線を曖昧にしたり、禁止水域と制限水域を否定したりすることによって、中国は、一つの中国を巡り台湾と中国双方の窓口が1992年に形成したとされる「92年コンセンサス」に基づく暗黙の了解を消し去っているとの見方を示した。

趙氏はさらに、中間線越えや海警局のパトロールが常態化された後に最も心配なのは偶発的な事件が勃発することだとし、そのリスクは増す一方だと述べた。また中国は直接衝突したり、戦争を仕掛けてきたりすることはないものの、台湾の主権に対する法律上の挑戦を継続していくだろうと解説。両岸がどのようにリスクをコントロールするかが最も重大で深刻な問題だと語った。

(李雅雯/編集:田中宏樹)

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