(台北中央社)農業部(農業省)林業・自然保育署は10日、中部・苗栗県南庄郷にある原住民(先住民)族サイシャット族の森で、同署と同族の現地集落、「龍谷の森」と呼ばれる里山林を管理する龍谷大学(京都市)による友好森林関係締結の調印式を行った。3者は今後、互いの森を交流の拠点として、国際社会に人と自然が共生する理念と実践を呼びかけていく。
同署が11日の報道資料で発表した。締結式には同署の林華慶署長、龍谷大学の入澤崇学長、サイシャット族の長老、根誌優さんらが出席した。
林署長は、山林の利用を巡り同署と対立関係にあった先住民族との和解を目指し2016年から規制を緩和したことやサイシャット族の集落と緑の森づくりに取り組んできたことなどを紹介した。
入澤学長によれば、森の中では書面の署名とは別に、ボードに署名し、サイシャット族の長老たちが次々とサインした。
根誌優長老は、「人と森に存在する全ての動物が森の一員で、必要な分だけの資源を利用することではじめて森を守れる」というおじいさんの教えを共有し、森を尊重し、かつ森と共存しなければならないと語った。