(新北中央社)北部・新北市淡水区にある日本統治時代に活躍した日本人画家の木下静涯が暮らした建物「世外荘」が、国際博物館会議(ICOM)などによって歴史的に重要な家屋を保存した「ハウスミュージアム」の一つとして選出された。建物を管理・運営する新北市立淡水古跡博物館が6日、明らかにした。
同館によると、ICOMなどは今年初めて世界27カ国・地域から260カ所のハウスミュージアムを選定し、ツアーやコンサート、ワークショップなどの開催を呼びかけている。台湾からは世外荘が唯一選ばれたという。蔡美治館長は、新北市の古跡を世界にアピールすることに成功したと喜びを語った。
建物は1923(大正12)年から木下が暮らし、戦後の53年には税務機関の職員宿舎となった。2010年に歴史建築に登録され、21年には修繕工事が完了している。1階の外壁には台北市唭哩岸一帯で採取された唭哩岸石が用いられ、2階部分は「斗子砌」と呼ばれる赤れんが造りになっており、19世紀末の洋館の風格を今に伝えている。