(花蓮中央社)東部・花蓮県鳳林鎮にある林田山林業文化園区で12日、日本風の木造建物9棟を含む建物10棟を保存修理する工事の上棟式が行われた。同園区を管理する農業部(農業省)林業・自然保育署花蓮分署は、完成後には宿泊体験空間や飲食物を販売する施設などとして活用する方針を示している。
同園区は日本統治時代から林業の拠点として発展した。林地開発のため、森林鉄道が敷設された他、木造宿舎が建設されて、生活環境が整えられた。産出されたヒノキやベニヒノキなどの貴重な木材は台湾経済の発展を支える重要な資源となった。現在は林業の歴史を伝える施設として観光地化されている。
保存修理プロジェクトは2期に分けて実施され、今回行われた上棟式は2023年7月から始められた2期目の工事に当たる。完成は来年2月末を予定している。
花蓮分署の黄群策分署長は、プロジェクトの目的について、単に建物を復元するだけでなく、林田山の歴史の記憶を再構築することがより重要だと説明。林業の衰退に伴い、建物や鉄道は林田山の繁栄から静寂の変化を見てきたとし、当時の集落の様子を再現して、後世に林業文化の痕跡を感じてもらいたいとした。
鳳林鎮に隣接する万栄郷の梁光明郷長は、日本式建物の修理と再利用をうれしく思うと語り、今後は郷内にある温泉地の観光産業サプライチェーン(供給網)とつなげ、地域の観光産業を活性化させ、より多くの就業機会をつくり出したいと語った。