(嘉義中央社)日本統治時代に建設され、約5年かけて修繕などが行われた阿里山林業鉄路の奮起湖駅に隣接する奮起湖車庫で一般公開が始まった。27日には修繕作業や建築美、同鉄道の風景などを紹介する特別展も開幕した。
同鉄道を運営する農業部(農業省)林業・自然保育署阿里山林業鉄路・文化資産管理処によると、同車庫は同鉄道唯一のヒノキ造りの車庫で、車両の入れ替えや補修、整備などの場となっていたという。現在は南部・嘉義県の県定古跡に登録されている。
奮起湖にはお昼時に列車が長時間停車したため、この地で販売される弁当は地元グルメの代名詞的存在となり、周辺集落に大きな繁栄をもたらした。1982年に嘉義と阿里山を結ぶ道路が開通すると鉄道輸送に大きな影響が出たが、その後車庫は旧型車両を展示する空間に変わった。
同鉄道は2009年の台風により一部区間で不通となっていたものの、7月6日に全線で復旧し、列車も増発される予定。同管理処は、一部の車両が車庫で点検作業を行うとして、本来の目的に沿った状態で保存できるとしている。