(高雄中央社)台湾と日本の観光交流の発展について話し合う「台日観光サミット」が31日、南部・高雄市で開かれた。台日の観光業界関係者200人超が出席し、台日間の観光交流の不均衡からの脱却や持続可能な発展などについて話し合った。閉会前には台日が共同で「高雄宣言」を発表し、相互交流人口を新型コロナウイルス流行前の2019年の700万人以上にすることで一致した。
サミットは2008年から台湾と日本で交互に開催されており、今回で15回目。日本側代表団は日本観光振興協会の山西健一郎会長を団長とし、観光庁や日本政府観光局、旅行、航空、鉄道の各業界などの代表者100人が訪台した。台湾からは台湾観光協会の葉菊蘭会長や交通部観光署(観光庁)の林信任副署長、陳其邁高雄市長をはじめとする中央省庁や地方政府の代表や、航空、旅行、ホテルなどの業界関係者らが参加した。
昨年1年間に日本から台湾を訪れた人は92万8235人(観光署統計)だった一方、台湾から日本を訪れた人は420万2434人(日本政府観光局統計)に上り、大きな不均衡が生じている。
葉氏は、台日間の健康的で均衡な交流は両国の観光産業の持続可能な発展において鍵になると強調。台日が互いに双方にとって2番目に大きなインバウンド市場になっていることに触れた上で、不均衡な現状の改善を台日の観光業界に訴え、日本側に対し、台湾への送客に力を入れるよう呼びかけた。
山西氏は、訪台日本人客は円安の影響を受けているとしつつ、観光庁が昨年5月に日本旅行業協会と共同で出した「今こそ海外!」宣言に関連する取り組みによって日本人の海外旅行への意欲を高め、訪台日本人客の増加につなげたい考えを示した。
高雄宣言では、台日双方の健康的で均衡な相互訪問を推進し、交流人口を700万人超にする目標に向けてまい進することを決議した。具体的な取り組みとして、観光地や交通のデジタル化推進やAI(人工知能)など先端技術の活用によるデジタルサービスの効率性向上で、旅行商品の購入や管理の利便性を高めることや、交通手段や旅行商品において持続可能性の概念を実践し、現地の文化の多様性や環境保護の価値を浮き彫りにすることで台日双方の旅行者にとっての相互訪問と再訪の原動力とする方針が示された。
来年は鳥取県で開催される。日本の代表団は6月1日まで、高雄市の手配によって市内の観光地を視察する予定。