(台北中央社)農業部(農業省)農糧署は10日、茨城県笠間市と台北市内で記者会見を開き、台湾の農村で醸造した酒を笠間焼の酒瓶に詰めた商品をお披露目した。数量限定での販売で、同部の胡忠一(こちゅういち)政務次長は異業種間の新しい試みだとし、台湾産の農産加工品の付加価値向上に期待を寄せた。
胡氏は1999年の台湾大地震後、農家への産業転換の支援を積極的に進めてきたと言及。今回のプロジェクトに参加している酒蔵はいずれも当時の主要な支援対象で、国際コンテストでも数々の受賞経験を持つと太鼓判を押した。
中部・苗栗県、台中市、南投県、北東部・宜蘭県の4県市から5軒の酒蔵が参加。サトウキビやコメ、イチゴなどいずれも地元の農産物を生かした個性豊かな酒だ。
胡氏は、酒瓶は江戸時代から引き継がれる笠間焼の素朴な風合いを基に、落ち着きと洗練さを感じさせるデザインに仕上がっていると紹介。笠間焼の窯元に製造を依頼し、一点一点手作業で作られたことに触れ、機械による製造は不可能であり、瓶そのものが芸術品だとした。
各酒蔵が限定で100本ずつ、計500本を販売。価格は1本2500~3500台湾元(約1万2000~1万7000円)。それぞれの酒蔵で予約販売が始まっているという。
会見には笠間市の山口伸樹市長も出席した。笠間市は台北市内に交流事務所を設置しており、台湾との交流に力を注いでいる。
