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花蓮洪水/花蓮県洪水 高齢女性、避難所から帰宅後に被害 家族「遺体だけでも早く」/台湾

2025/09/25 18:12
王さんの自宅がある仏祖街で25日朝から重機を使った泥の撤去が始まった=花蓮県光復郷
王さんの自宅がある仏祖街で25日朝から重機を使った泥の撤去が始まった=花蓮県光復郷

(花蓮中央社)東部・花蓮県で23日午後に発生した洪水で、85歳の女性、王さんは避難所から自宅に戻った後に被害に遭い、死亡した。家族は、遺体だけでも早く運び出してあげたいと話している。

洪水は台風18号による大雨でせき止め湖が溢水(いっすい=水のあふれ出し)したことにより発生。大量の水が同県光復郷の市街地に流れ込んだ。中央災害対策センターによれば、25日午後3時前までの統計で洪水により14人が死亡、22人が行方不明になっている。

王さんの娘婿の李さんによれば、1人暮らしだった王さんは、溢水が起きる前に避難所に身を寄せていた。だが23日午後2時過ぎ、外の天気が良かったこともあり、本人の強い希望で帰宅。それから1時間もたたないうちに、せき止め湖で溢水が発生した。

警報を聞いた李さんは急いで王さんの自宅へ向かったものの、すでに水が家の中に押し寄せており、間に合わなかったという。水が引き始めた午後7時ごろに再度自宅に向かうと、居間にいる王さんを見つけたが、再び水かさが増したため一人で屋上に避難。24日午前3時ごろになって、李さんは救助隊によって救助された。

李さんは、王さんの自宅から500メートルほど離れた平屋にも少なくとも3人が取り残されて連絡が取れなくなっており、いずれも低い土地で水位は最も高い所で1階を超える高さに達したと説明。「これだけ長く救出されていないので、生存は難しいだろう」と語った。

王さんの長女は、母は健康そのもので、年初には家族で旅行に出かけたばかりだったと振り返る。李さんが撮った写真には、王さんが床に座って神具の机を抱えている姿が写っていたと明かし、流されないように必死だったのだろうと話した。

王さんの自宅があり、犠牲者が最も多かった通りの一つ「佛祖街」では、25日朝から重機を使った泥の撤去が始まった。未だ住民の安否が確認できていない民家が5~7戸ほどあるものの、作業中には水位が再び上昇し、作業隊が一時避難する場面もあった。

王さんの家族らは、泥などの除去作業を眺めながら、家までの道のりがとても長く感じると口にした。

(張祈/編集:田中宏樹)

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