(基隆中央社)北部・基隆市議会の民進党所属議員に対するリコール(解職請求)運動で、戸籍管理システムを不正に利用して署名活動を支援した疑いがあるとして捜査を受けている前基隆市民政処長について、台湾基隆地方法院(地裁)は6日、検察側が求めていた勾留と接見禁止を認める決定をした。
検察の調べによると、前民政処長は戸籍管理システムを不正に利用して個人情報を検索し、野党・国民党の党員名簿の照らし合わせや死者リストの削除、党員の住所変更などを行った疑いがある。前民政処長は先月30日に同職を辞任した。
台湾基隆地方検察署(地検)は先月29日、民政処長の勾留を請求したが、地裁は同日深夜、保釈金40万台湾元(約190万円)での保釈を決めた。地検は5日、前民政処長の自宅を家宅捜索。前民政処長に事情聴取し、スマートフォンを調べたところ、通信アプリから会話を削除した疑いが浮上した。地検は6日未明、口裏合わせや証拠隠滅の恐れが大いにあるとして、前民政処長の勾留と接見禁止を地裁に再度求めた。
地裁は、前民政処長に個人情報保護法違反や私文書偽造、私文書変造の罪などの嫌疑が重大だと指摘。検察官が挙げた新証拠で、多くの共犯と共に実行した犯罪であることが見て取れたなどとし、共犯と口裏合わせをする恐れがあると認定したと報道資料で説明した。
国民党の謝国樑(しゃこくりょう)基隆市長は取材に対し、市は一貫して検察の事件処理を尊重するとし、その他にコメントすることはないと述べた。