(台北中央社)台北市立第一女子高校の教員が中国国営の中国中央テレビ(CCTV)の取材に応じ、頼清徳(らいせいとく)総統を批判する発言を行ったのを問題視した一部の市民が、教育部(教育省)に通報した。これに関連して同高を管轄する台北市政府教育局は27日、教師の言論の自由を尊重するとの見解を示した。
教員は、頼氏が13日に中国が「域外敵対勢力」であると発言したことに触れ、中国の親族に顔向けできなくなったとして批判した。
市教育局の湯志民局長は報道陣に対し、市民からの陳情について教育部国民・就学前教育署から通達され、同局が学校に調査を行うよう指示したと説明。学校の調べでは、該当の教員が授業中や校内で教育の中立性に反していると指摘した生徒は一切いなかったとした上で、同局として教師の専門的自律や言論の自由を尊重するとした。
教員は27日、報道陣の取材に応じ、中国からの取材依頼は伝統文化や教育に関するもので、これらの議題なら喜んで受け入れるとコメント。今後も政府が明確に禁止しない限りは、いかなるメディアからの取材も断るつもりはないと語った。
同高は北一女の略称で知られる名門校。この教員は国語(中国語)を担当しており、過去にも中国国営の新華社通信のインタビューに応じ、蔡英文(さいえいぶん)総統時代に採択された課程綱要(学習指導要領に相当)が「脱中国化」していると批判していた。