(台北中央社)衛生福利部(保健省)食品薬物管理署は23日、同月1日までに日本から輸入された食用の「米油」約1トンについて、水際検査で基準値を超えるグリシジル脂肪酸エステルが検出されたと発表した。全量が廃棄または積み戻しされる。日本産の米油から基準値を超える同物質が検出されたのは今年に入って2回目。
同署によれば、不合格となった米油からは1キログラム当たり1545マイクログラムのグリシジル脂肪酸エステルが検出された。同物質は台湾では発がん性があるとされており、食用油における基準値は同1000マイクログラムと定められている。日本では食品衛生法に基づく基準値は設定されていないものの、業界団体と農林水産省が低減に向けて手引きを作るなど働きかけをしている。今年に入って水際検査で基準値以上の同物質が検出された日本産米油2件は、いずれも山形県の同一の企業が製造したもの。
この日発表された不合格品は計20件。インド産「玄米油」から1キログラム当たり2639マイクログラムのグリシジル脂肪酸エステルが検出された他、北海道産の生鮮メロンや米国から輸入された調味料などは残留農薬の基準値違反で不合格となった。
同署の林金富副署長は取材に対し、日本の米油とインドの玄米油を輸入した各業者に対する抜き取り検査を強化すると説明した。