(台北中央社)中部・台中市にある農業部(農業省)林業・自然保育署台中分署が、生んだ卵や生まれた子ヘビを守る野生のヒャッポダの様子を記録することに成功した。関係者らは今年8月上旬にも学会で発表を行う他、来年には国際的な専門誌に論文を投稿する予定だ。林業署の林華慶署長は11日に開かれた記者会見で、ヘビ類にも倫理的な愛があったことを世界で初めて確認したと語った。
林業署によると、昨年7月27日、環境教育の指導者が台中市の八仙山国家森林遊楽区内の穴の中で卵の上にくるまっているヒャッポダを見つけ、翌日からカメラを設置するなどして観察を始めたという。
子ヘビは8月29日から翌日までに20匹が誕生。母ヒャッポダは9月3日まで巣穴やその周辺で子ヘビを守り続けていた。またその後も子ヘビが巣穴から出て周囲を探索したり、脱皮したりする様子が記録されていたという。
台中分署の張弘毅分署長は、世界で初めてヒャッポダが野外で生んだ卵を守る様子や子ヘビが生まれてから巣立つまでの過程が明らかになったと話す。また同分署は、子ヘビをかえすために母ヒャッポダが日中一時的に巣穴を離れて体温調節しているとみられる様子や生まれた子ヘビを守る行為も確認できると説明した。
林署長は、これまでヒャッポダの卵を守る生態やいつ巣穴と子ヘビから離れるかなどは分からなかったと指摘。今回の観察結果は長期にわたり不明とされていたヒャッポダ繁殖に関する空白を埋めるものだと指摘。台湾のヒャッポダの生殖や生態の資料として貴重だと語った。