(台北中央社)農業部(農業省)花蓮区農業改良場(東部・花蓮県)は23日、リゾット用に開発したコメの新品種「花蓮26号」を発表した。台湾でリゾット用の品種が誕生するのは初めてで、完成までに約7年を要した。日本やシンガポールへの輸出も目指している。
台北市内で記者会見を開いた。
台湾の品種「台東30号」とイタリアの「ヴィアローネ・ナーノ」を掛け合わせて生まれた。同場の副研究員によれば、他の品種と比較して粒が大きく、中心部の「心白」と呼ばれる部分やでんぷんのアミロースの割合が高いのが特徴。煮込んでも粒が崩れにくく、スープを比較的多く吸収できる。リゾットの他、ライスコロッケやチャーハン、お茶漬けにも適しているという。加えて、輸入品よりも輸送距離が短いため環境に優しいというメリットもある。
同場の楊大吉場長は、同場は10年前から、高温や病気への耐性が強く、機能性がある品種や技術の開発にかじを切っていたとし、花蓮26号は国内市場で待ち望まれていた品種だと説明した。国内にとどまらず、客単価が高く台湾の農産物の品質への信頼がある日本やシンガポールなどの海外市場も開拓していくと述べた。
会見に出席した関係業者によれば、同品種を使用した料理は一部の飲食店で提供が始まっている。同市の富里農会(農協)は、同農会では今年末以降、一般の消費者も新品種のコメを購入できるようになる見込みだとした。