(花蓮中央社)日本統治時代の東部・花蓮で警察官だった大おじを亡くした日本人男性が、2年前に死の真相を求めて花蓮市に調査を依頼したところ、日本統治時代の資料に関連の情報が書かれていたことが分かった。男性は24日、花蓮市を訪問し、通訳を交えて涙ながらに感謝を伝えた。
調査を依頼したのは、熊本県に住む小山正義さん。大おじである小山実さんが1916(大正5)年2月4日に花蓮で30代の若さで亡くなったことは知っていたが、その詳細について父親から聞くことはなかった。
定年退職後の台湾旅行をきっかけに小山家の世帯主として花蓮に出向いて線香をささげたいと思い立った正義さんは、2021年に花蓮市の魏嘉賢(ぎかけん)市長(当時)宛てに手紙を出して協力を依頼。地元の歴史に詳しい黄家栄さんらが調査を進めていた。
黄さんによると、実さんの戸籍が残っていなかったばかりか、当時の新聞記事にも関連の情報が見つからず、調査は困難を極めたものの、殉職者を合祀(ごうし)していた北部・台北の建功神社の名簿を確認すると、実さんの名前を発見したという。
その情報を基に、当時原住民(先住民)族が多く暮らしていた地域で殉職した人の名簿を調べた結果、実さんは現在の花蓮県瑞穂郷舞鶴地区で鉄条網周辺のパトロールをしていた際に感電し、34歳で亡くなったことが分かった。だが、遺灰が建功神社に祭られたかについては分からなかった。
現地には関連の慰霊碑や墓があるかもしれないとして、黄さんは引き続き調査を行う考え。正義さんは進展があり次第、家族を連れて供養したいと語った。