(台北中央社)外交部(外務省)は28日、南太平洋フィジーの外務省から中華民国(台湾)在フィジー出先機関の名称を、2018年から使用されていた「駐フィジー台北商務弁事処」から「中華民国(台湾)駐フィジー商務代表団」に変更し、職員に対して外交特権を付与すると通知があったことを発表した。同部はこれに対して評価と感謝を表明した。
この日開かれた同部の定例記者会見で周民淦東アジア太平洋司長(東アジア太平洋局長)は、24日に正式な通知があったと説明。名称変更は15日に行われたとしている。
フィジーの対応は台湾と中国双方を認める二重承認を意味しているのかとのメディアの質問に周氏は、台湾と国交がない国との関係は、いかなる状況も排除していないと語り、台湾との経済関係を強化する意向のあるどの国に対しても、真剣に検討すると述べた。
フィジーは昨年12月、総選挙が実施され、約16年ぶりに政権交代が行われた。周氏によると、前政権は中国からの圧力により、18年に在フィジー出先機関名称を「中華民国(台湾)駐フィジー商務代表団」から変更していたという。
また現在のフィジー政府は1971年に台湾がフィジーに出先機関を設置して以来、農漁業や医療、教育、人材育成の分野で密接な交流と協力を図り、人民の福祉に貢献していることを高く評価していると指摘。フィジーは太平洋地域で台湾と理念が近い、重要な協力パートナーだとし、引き続き健やかな交流を行い、友好関係を深化させる方針を示した。