(台北、台中中央社)中央気象局の鄭明典局長は18日、中部と南部に位置する主要ダムの貯水率の推移を示したグラフをフェイスブックで紹介した。南部のダムについて、深刻な水不足に見舞われた2021年と酷似していると指摘し、節水を呼び掛けた。
グラフは経済部(経済省)水利署の統計を基に民間が作成したもの。鄭氏は、中部では21年と比べて状況が良いとしつつ、台南市の曽文ダム(貯水率11.2%)、南化ダム(同36.3%)、烏山頭ダム(同76.4%)を抜粋。これによれば、曽文ダムと南化ダムの貯水率は21年と同様に右肩下がりで、烏山頭ダムは増減を繰り返していたが、最新の数値では減少傾向となっている。
気象局は17日、今後約1カ月の天気の見通しを発表。3月下旬に雨が降る可能性は高いとしつつ、全体的には雨の可能性はやや低めと予測した。
鄭氏は、2021年の経験から対応できるはずとしつつ、非常に緊迫しているとの見方を示した。
▽陳行政院長「政府の調整に一定の効果」
南部で水不足の傾向が続き、中部でもその影響が懸念される中、陳建仁(ちんけんじん)行政院長(首相)は18日、中部・台中市の河川を視察。王美花(おうびか)経済部長(経済相)や盧秀燕(ろしゅうえん)台中市長らが同行した。
陳氏は、今年は21年より雨が降らない期間が長いにもかかわらず、中部の状況が当時より安定しているとし、政府の水資源の調整措置に一定の効果があったと指摘。地方自治体と協力し、水の安定供給に向けて努めていく姿勢を見せた。
王氏は、今年は中部と比べて南部の嘉義県、台南市、高雄市で比較的水不足となっていると言及。今週には中央災害対策センターの会議が予定されていると話した。