(基隆中央社)台湾で初めて中国語繁体字の書籍を取り扱ったとされる北部・基隆市にある「自立書店」の修復工事が21日に始まった。文化部(文化省)の補助を受けて行われ、約1年後の完成を予定している。建物は日本統治時代、岸田文雄首相の曽祖父・岸田幾太郎氏の家族が「岸田喫茶部」を営んでいたことでも知られる。
建物は戦後、飲食店「小上海小酒館」となったが、1951年に閉店。63年に自立書店の創業者、陳上恵さんが建物を購入し、店を移転開業させた。
市文化局の陳静萍局長は、設備が古く、建物の水漏れは早急に直す必要があると指摘。文化資産ではない民間所有の建物を、官民の協力を通じて保存と再生をすることから、修復には大きな意義があると語った。
また修復後は2階が書店となる予定だとし、1階には文化産業関連業者の出店を歓迎すると期待を寄せた。