日本時代の彫刻家・黄土水の「甘露水」、年末開幕の特別展で公開へ/台湾

2021/10/15 17:00
黄土水の代表作「甘露水」=黄邦銓、林君昵/北師美術館提供
黄土水の代表作「甘露水」=黄邦銓、林君昵/北師美術館提供

(台北中央社)日本統治時代に活躍した台湾の彫刻家、黄土水の代表作「甘露水」が12月に国立台北教育大学北師美術館(台北市)で開かれる特別展で公開される。同館が14日、発表した。同作品は長年にわたり中部・台中の工場に眠っていたが、今年9月、文化部(文化省)に所蔵された。

「甘露水」は大理石彫刻で、台湾初の裸体彫像。自信に満ちた表情の女性がやや上を向き、両手を身体の後ろの貝殻に軽く乗せている姿がボッティチェリの「ビーナスの誕生」をほうふつとさせることから、現在では「台湾のビーナス」とも称されている。

黄は1895年、台北生まれ。1915年に東京美術学校彫刻科に入学し、西洋彫刻を学んだ。1920年に「蕃童」で台湾人として初めて「帝展」に入選し、翌21年にも「甘露水」で再度入選した。同作品は22年に東京・上野で開かれた「平和記念東京博覧会」台湾館にも出展された。北師美術館によれば、当時、同作品には皇室から高い関心が示されたという。また、黄土水の活躍は台湾の若い芸術家を鼓舞した。

31年には台湾教育会館(現・二二八国家紀念館)の落成を祝い、同作品は同館に所蔵された。後に同館を使用した台湾省臨時省議会が58年に台中に移転したのに伴い、同作品も同館から外に出され、台中駅に放置された。数日後には駅付近の張外科診所(診療所)に移され、丁寧に保管された。74年には一族が所有する台中・霧峰の工場に運ばれ、その後は工場内に眠っていた。同作品を探していた台北教育大の林曼麗名誉教授と北師美術館のチームが後に所在を突き止め、今年9月6日、蔡英文(さいえいぶん)総統の立ち会いの下、文化部に正式に引き渡された。

同作品の修復は、黄の「南国」(水牛群像)や「ひさ子さん」(少女胸像)などの修復を行った森純一氏が担当する。

作品は12月から来年4月まで北師美術館で開かれる「光──台湾文化協会百年」(仮題)で展示される。

(王宝児/編集:名切千絵)

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