(台北中央社)北部・新北市林口区で17日、公文書の所蔵や展示、研究などを担う国家档案館(ナショナルアーカイブス)の開館を記念する式典が催された。頼清徳(らいせいとく)総統があいさつに立ち、政治文書の公開という揺るぎない姿勢によって「移行期の正義」の一里塚となったと喜びを示した。
台湾では戦後の1949年に戒厳令が施行され、国民党政権により市民の思想や言論が弾圧された白色テロの時代が42年間続いた。2016年の民進党・蔡英文政権発足後は当時の政権による人権侵害やその真相究明を目指す移行期の正義が本格的に進められている。
頼総統は、今年は台湾の民主主義において特別な年だとし、9月10日を境目に、戒厳令が解除されてから経過した日数が戒厳令下にあった日数を超えたと言及。同館を訪れ、台湾がいかにして権威主義体制の影を振り払い、民主の光へと歩んできたかを見てほしいと語った。
最初の特別展では、戒厳令の解除を通達する文書や国家暴力の法的根拠となった「懲治叛乱条例」の廃止公告などの原本を公開する。
同館は国家発展委員会档案管理局が管轄し、今年9月にプレオープンした。同委員会の葉俊顕(ようしゅんけん)主任委員(大臣に相当) によれば、これまで延べ20万人超が訪れた。同館は22日に正式な開館を迎える。


