(台北中央社)海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は30日、中国人民解放軍が台湾周辺で実施している軍事演習でロケット弾7発を発射し、台湾海峡周辺の2カ所の航行禁止区域内に着弾したことを把握したと発表した。いかなる事故も発生していないとした。
同署が午後に発表した報道資料によれば、同日午前9時までに国防部(国防省)などの国家安全関係機関と共に統合監視・偵察手段でロケット弾の発射と着弾を把握した。
また、同署は中国海警船の動向を全行程で監視し、国内外を航行する船舶が妨害されないようにしていると説明。海警船が情勢を誤って判断しないよう、対応時には台湾海峡の平和のために慎重な行動を取るよう促す中国語と英語のアナウンスを追加したとした。
中国の国営メディアが「台湾の4カ所の港を封鎖した」と報じたことについては「紛れもない偽情報」だとして否定した。
中国側は29日に台湾周辺での軍事演習の実施を発表。30日午前8時から午後6時にかけて、台湾を取り囲む海域と空域において重要な軍事演習を実施し、実弾射撃演習も行うとした他、ロケット弾発射訓練を実施するとして、台湾海峡周辺の7カ所を「臨時危険区域」に設定し、航空機の進入を禁止するとしていた。

