(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は26日、台北市の総統府で訪台した河野太郎元外相らと面会した。台日間での経済連携協定(EPA)の締結や環太平洋経済連携協定(TPP)への台湾加入支持に期待を示し、台日が手を携えて世界の産業発展をリードしたいと語った。
河野氏が台湾を訪問するのは約11年ぶり。井上信治自民党幹事長代理、浅尾慶一郎前環境相らが同行した。
頼総統は、今回訪問したメンバーが長期にわたり台湾を支持してきたことや、日本政府や国会議員らが国際的な場で、台湾海峡の平和と安定の重要性が世界の安全保障と繁栄に不可欠だと繰り返し訴えていることに感謝を示した。
また台日は今月4日に「デジタル貿易に関する相互協力のための取り決め」を締結したことに触れ、今後はデジタル貿易やAI(人工知能)分野で交流を拡大し、産業発展を支援して競争力を高めていくと強調。台湾は世界のAIと半導体産業のハブとして、原料や設備、精密製造技術などで強みを持つ日本と協力できれば、必ず互恵関係が築け、世界に利益をもたらすとの認識を示した。
さらに、今年9月下旬に東部・花蓮県のせき止め湖から水があふれて発生した洪水被害では、日本が水位観測ブイを提供し、防災対策の強化を支援したことにも言及。困難を共にする絆は、台日関係で最も貴重な資産だと語った。
総統府によると河野氏は、活発な人的往来や台湾による対日投資、デジタル分野での交流強化、災害発生時の協力などに言及。2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会(花博)への出展に期待を寄せた他、経済や関係者の相互訪問などの分野で関係を引き続き深め、緊密なパートナー関係を構築したいと語ったという。