(台北中央社)秋の叙勲の「大綬章」の親授式が11日、皇居・宮殿「松の間」で行われ、前台北駐日経済文化代表処代表(大使に相当)の謝長廷(しゃちょうてい)総統府資政(顧問)が天皇陛下から旭日大綬章、高市早苗首相から勲章受章の証明となる勲記を手渡された。謝氏は、台湾を代表して栄誉を受け、非常に光栄だと語った。
謝氏は昨年8月まで約8年間にわたり駐日代表を務めた。日本側が発表した資料によると「日本・台湾間の友好親善及び相互理解の促進に寄与」した功績が評価された。
謝氏は、親授式が終わると天皇陛下が受章者一人一人に声をかけ、謝氏が台湾から来たことを伝えると、祝意を述べられたと話した。
今回の受章については、非常に大きな評価と栄誉で貴重な体験だったと述べた上で、台湾と日本は災害時に互いに助け合い、「善の循環」が形成されているとし、このような成果は個人ではなく、代表処の全ての職員たちが共同で努めてきた賜物だと語った。
また謝氏の受章に対し中国の外交部が「台湾独立を主張する人物に勲章を与え、独立派を後押しするつもりなのか」と反発したことについては、日本政府に対する発言で自身へのものではないと指摘。2012年に北京を訪問し、中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の王毅主任(当時)と会談した際、自身の考え方は問題視されなかったことに触れ、なぜ突然独立派だとして抗議したのだろうかと疑問を呈した。
日本の超党派議員連盟「日華議員懇談会」の古屋圭司会長は同日、フェイスブックに謝氏と握手する写真を投稿。中国の反発について「理不尽」との認識を示した。
