 
                  (台北中央社)最大野党・国民党の鄭麗文(ていれいぶん)次期党主席(党首)がロシアのプーチン大統領について「独裁者ではない。国民に選ばれたリーダーだ」と発言し、物議を醸している。外交部(外務省)の呉志中(ごしちゅう)政務次長は31日、欧州ではこのような見方はされていないとの認識を示した。
11月1日に党主席に就任する鄭氏は、31日までにドイツの国営国際放送、ドイチェ・ベレのインタビューに応じ、「ロシアは民主化して何年もたつ」とした上で、「彼(プーチン氏)は民主的な選挙で誕生した大統領であり、独裁者とは言えない」などと語った。
立法院院会(国会本会議)への出席前に報道陣の取材に応じた呉次長は鄭氏のプーチン氏に対する認識について、このような理論では、選挙で選出されたイラクのフセイン元大統領も独裁者ではなくなってしまうと苦言を呈した。
また自身がかつて駐フランス代表(大使に相当)だった頃の理解とも非常に異なっていると指摘。このような認識は、今後台湾と欧州が交流する際、互いの理念が全く異なることになりかねないと述べた。
台湾で対中政策を担う大陸委員会の邱垂正(きゅうすいせい)主任委員(大臣)も、プーチン氏はすでに十数年にわたって政権を握り続けており、一般的な国際社会は独裁者だと見なしていると話した。