南部・台南市の九龍太子宮で盗まれた神像が26日、関係者の手元に返された。25日夜、容疑者3人が逮捕され、神像も見つかった。神像は伝統工芸でめざましい功績を挙げた人に贈られる「国家工芸成就獎」を受賞した職人が手掛けた貴重なもので、警察が捜査していた。
市政府警察局麻豆分局の劉行五副局長によれば、神像が盗まれたのは14日未明。廟内の警報システムが作動したが、侵入者は逃走し、27年間まつられていた「卯兎星君」の姿が消えていた。
警察は監視カメラの映像で犯行車両を特定。容疑者3人の身元が分かり、中部・台中市や南部・高雄市で身柄を拘束した。
神像の作者、陳啓村さんは26日、同宮の関係者と同局を訪れた。戻ってきた像を確認し、腰かけている椅子の背もたれなどに一部破損が見られるが、神像自体は無事で修復が可能だと胸をなで下ろした。文化部(文化省)が修復を支援するという。


