(台北中央社)元行政院長(首相)の張俊雄(ちょうしゅんゆう)氏が27日、87歳で死去した。与党・民進党や総統府が発表した。
南部・嘉義出身の張氏は1938年生まれ。国立台湾大学法律学科を卒業後、弁護士として活躍。79年デモ活動の主催者らが逮捕・投獄された「美麗島事件」の軍事裁判で弁護活動に当たったのをきっかけに政界入り。民進党では86年の結成時からのメンバーで、党中央常務委員や秘書長(幹事長)などを歴任した。
83年から立法委員(国会議員)を約17年務めた後、2000年の民進党・陳水扁政権発足に伴い総統府秘書長に就任。08年5月の政権交代までは、行政院副院長(副首相)、行政院長、対中窓口「海峡交流基金会」董事長(会長)などの要職にも起用された。
それ以降は政界を事実上引退し、受刑者の更生を支援するボランティア活動に取り組んでいた。
張氏の訃報に接し、頼清徳(らいせいとく)総統は哀悼の意を表するとともに、台湾の民主主義、人権への貢献をたたえた。蔡英文(さいえいぶん)前総統もフェイスブックを更新し、「民主化運動の参加者であり実践者でもある」などとして自身の大陸委員会主任委員(閣僚)時代の上司をしのんだ。