中部・台中市で暮らしていた無戸籍の男性(21)が、台中市政府などの支援を受けて戸籍記載を果たし、身分証を取得したことが分かった。男性と父親は社会の関心と支援に感謝を示している。
男性は義務教育を受けたことがなく、幼いころから外出を控えるよう言われていたため、外部との接触がほとんどなかった。だが今年2月、父親に家を追い出され、野宿しながら廃品回収をして生活していたところ、地元の里長(町内会長)が事情を知り、市政府社会局に保護された。
市政府が18日に発表した報道資料によると、男性の両親に婚姻関係はなく、外国籍の母親は数年前に失踪。父親も無戸籍の状態をどのように解決するべきか分からなかったという。
市政府は男性と父親の親子関係の証明を支援。男性は行方不明者や指名手配犯などではないことが確認され、父親と戸籍の記載手続きを行い、身分証を取得した。
社会局は男性について、自立支援施設で暮らしながらソーシャルワーカーらと自立に向けた訓練を受けている他、さまざまなイベントに参加し、コミュニケーション力の向上を図っていると説明。性格は穏やかで、新しいことを試してみたいという好奇心もあるとし、今後は補助教材を組み合わせて、将来的な職業訓練や職場環境に慣れるための準備をするとしている。