(ロンドン中央社)欧州歴訪中の蔡英文(さいえいぶん)前総統は17日、自身が法学博士号を取得した英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで講演を行った。トランプ米政権の関税政策を念頭に、台湾はここ数十年で何度も世界的な危機に直面してきたが、そのたびに転機にしてきたと述べた。
講演は学生向けに行われ、メディアには公開されなかった。
複数の聴衆によれば蔡氏は、米国の政策変更により多くの国が米国との二国間交渉を選択しているものの、歴史的に見れば、多国間での体制のみが世界に持続的な解決策をもたらせると言及。その上で、世界が新たなバランスを模索する中で、台湾はより積極的な役割を果たすべきだと語った。
また、世界秩序が激しく変動する時代において、過去には当然と思われていたことが挑戦にさらされ、再構築されていると指摘。このような状況においても、民主主義と強靭(きょうじん)性、パートナーシップが未来に立ち向かう上で最も強固な基盤になることは明白だと強調した。
最後に同校を訪れたの10年以上前だという蔡氏。最も好きだった場所は面白い人々に出会った学生寮のミニキッチンだとし、そこでの会話や学びが忘れがたい経験となったと振り返った。