(台北中央社)立法院(国会)で2025年度中央政府予算案の審議が行われる中、野党が予算の大幅削減を提案し、すでに一部の野党案が可決されている。行政院(内閣)は20日、記者会見を開き、理性的な審議を行うよう立法院に対して呼びかけた。
立法院では17日、計939億7500万台湾元(約4500億円)の予算を削減する提案が、最大野党・国民党と第2野党・民衆党の議員らの賛成多数で可決された。行政院院会(閣議)が昨年8月に決定した今年度予算の歳出は3兆1325億元(約14兆9300億円)で、削減額は3%に当たる。20日も引き続き予算案の採決が行われている。
記者会見には卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)や、予算が大きく削減される可能性がある部会(省庁)の長が出席した。卓氏は、野党案では数位発展部(デジタル発展省)や国家通信伝播委員会、大陸委員会などの予算が1元(約5円)にまで削減されると指摘し「これは国を麻痺(まひ)させ、政府を滅ぼし、中華民国を滅ぼす第一歩なのではないか」と批判。その上で「行政院は立法院によるいじめを受け入れられない」と述べた。
卓氏はまた、内政部(内務省)の詐欺対策関連予算が9億元(約43億円)凍結されるとし、国民をばかにしていると批判。詐欺グループを喜ばせ、国の防衛能力をなくし、人々を大きな危険にさらすことになると主張した。