(台北中央社)立法院(国会)社会福利・衛生環境委員会が28日に行った環境部(環境省)の2025年度の予算審議で、トイレ文化の推進や公共トイレの状況を視察するための訪日予算を巡り、一部の立法委員(国会議員)から「飲み食いや遊びに行くだけ」などと批判の声が上がった。これに対し環境部は、2021年の東京五輪開催に合わせて設計された公共トイレや人工知能(AI)を応用したトイレを視察すると説明。「トイレで飲み食いするのは難しい」と反論し、理解を求めた。
環境部は訪日トイレ視察に16万台湾元(約74万5000円)の予算を計上していた。野党・国民党の蘇清泉委員は、海外視察は着実に実施されれば台湾のためになるが、飲み食いや遊びに行くだけではいけないと批判。与党・民進党の劉建国委員も、台湾のトイレ環境は長きにわたって改善されていないとした上で、海外の大型イベントで設置されたトイレを見ないと良くならないのかと疑問を投げかけた。
これに対して環境部環境管理署の顔旭明署長は、東京では五輪に合わせて世界で活躍する著名な建築家やデザイナーが手がけた公共トイレが17カ所に設置されたと強調。視察を通じて台湾全体の公共トイレの環境向上につなげたいと語った。
また台湾ではこれまで、清潔で無臭、ぬれていない公共トイレが求められていたとしながらも、現在の目標はトイレ文化の改革だと強調。立法委員側は最終的に、環境部の海外視察予算を計10万台湾元(約46万6000円)削減することで了承した。