(台北中央社)労働部(労働省)労働力発展署北基宜花金馬分署の男性職員が北部・新北市新荘区内の庁舎で自殺したことを巡り、同部は19日、業務過多が主な原因だとする調査結果を発表した。SNS上で指摘されていた分署長による職場内いじめについては「管理の仕方や感情コントロールに確かに不適切な点があった」としつつ、自殺の直接的な原因ではないとの認識を示した。
職員の男性は4日、庁舎内で死亡しているのが見つかった。調査の結果、自殺と認定された。その後、短文投稿サイト「スレッズ」に「男性職員は生前、職場でいじめられていた」との内容が投稿され、分署長が嫌がらせに関与していたとの書き込みが相次いだ。これを受け、同部が調査に乗り出した。
調査結果によれば、同部は男性職員の自殺の主な原因について「単独で従事する仕事量が過度に膨大で、大きなストレスを抱え、支援をする資源も不足していた」と説明。調査資料によると、男性職員は情報システム関連の部署に所属し、命を絶つ直前の先月22日から今月1日までの多くの日で12時間以上の長時間勤務をしていた。分署の情報部門の正規職員はこの職員1人のみだった。
職権乱用に関しては、部下を大声で叱責(しっせき)したり、けなしたりする行為が分署長にあったと指摘。心療内科を受診した職員も複数いると明らかにした。分署長は、話す声が大きく、感情のコントロールも適切ではなかったと認めているという。
同部は関係者15人から聞き取りを行い、分署職員にも匿名のアンケート調査を実施。205件の回答を得たという。
19日の記者会見で何佩珊(かはいさん)労働部長(労働相)は男性職員の自殺について謝罪し、分署長の異動と降格を発表した。
20日、立法院(国会)社会福祉・衛生環境委員会に出席した何氏は、引責辞任する考えがあるか問われると「はい」と答えた。また、分署長に停職処分を下す考えがあることも明らかにした。