(台北中央社)外交部(外務省)は29日、アフリカ東部ソマリアの政府が、台湾が発行した旅券(パスポート)での入国などを禁じると通告したことについて、「厳正に抗議する」と表明した。
外交部によればソマリアの民間航空当局は22日、ソマリア政府が「アルバニア決議」(国連総会2758号決議)を根拠に中国が掲げる「一つの中国」原則を堅持し、台湾やその付属機関が発行した旅券や渡航書類での出入国や乗り継ぎを30日から禁止すると航空各社などに通告した。アルバニア決議は1971年の国連総会で採択された、国連における中華人民共和国の中国代表権を認める決議。
外交部は、ソマリアが中国の扇動によって台湾人の旅行の自由や安全を制限する措置を取ったとして抗議。ソマリア政府に対し、直ちに通告を撤回するよう求めた。
その上で、ソマリアはアルバニア決議を誤って解釈していわゆる「一つの中国原則」と結び付け、台湾が中華人民共和国に隷属しているとの誤った印象を作り出そうとしているとし、これに対しても厳しい反論と強い非難をすると強調した。
またソマリア政府が通告を撤回するまでは、旅行の安全と円滑な渡航を確保するため、ソマリアや隣接するソマリランドに渡航しないよう国民に呼びかけた。