(東京中央社)10日の中華民国国慶日(国家の日)を前に、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)は8日、東京都内のホテルで祝賀式典を開いた。李逸洋(りいつよう)代表(大使に相当)は、台湾は今後も日本や米国などの民主国家と協力し、経済や科学技術、安全保障などでの連携を深め、頼清徳(らいせいとく)総統が掲げる『民主主義の保護傘』を共に広げ、台湾海峡と地域の平和を守るとあいさつした。
李代表は、中国が台湾を包囲するような形で軍事演習を実施し、中国の軍用機や軍艦などが台湾周辺に現れない日はないとし、台湾の生存は悪い隣人により、深刻な脅威を受けていると強調。もし台湾海峡が封鎖され、半導体供給が中断すれば、世界全体の経済損失は5兆米ドル(約740兆円)に上るとし、台湾の平和は世界経済の繁栄に直結しているとの認識を示した。
自民党の麻生太郎最高顧問は台湾について「近い国」、「極めて友好であって大事」だとし、台湾海峡の安定は日本の存立危機事態にも影響する重要な拠点だと主張。台湾の人々にも「台湾海峡の重要さを守り抜く覚悟」を持ってほしいと語った。
超党派議員連盟、日華議員懇談会(日華懇)の古屋圭司会長は、今年は台湾、日本、米国の有力な国会議員との戦略対話を対面で実施したいとし、自由、民主主義、基本的人権、法の支配などの原則を共有する国々が堅持して台湾海峡の安全と平和を維持することを促すのは日華懇の重要な役割だと語った。
式典には日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長や国会議員、中華民国(台湾)と外交関係を持つグアテマラやハイチ、パラグアイ、マーシャル諸島などの関係者、在日華僑ら約千人が出席。会場では鶏肉飯やタンツー麺(担仔麺)、豆花などの台湾グルメが振る舞われた。