(台北中央社)宜蘭船籍のはえ縄漁船「富申」が28日午後、日本の公船に拿捕された。外交部(外務省)は29日、同漁船は日本の領海内で違法操業をしていたのを理由に日本海上保安庁の公船から取り締まりを受けたと説明した。日本側に対し、船主による担保金の納付完了後、同船と乗組員を速やかに釈放するよう求めたとしている。
農業部(農業省)漁業署によれば、台湾籍の船員8人を乗せた同漁船は27日夜10時過ぎに北東部・宜蘭県の南方澳漁港を出港。28日午後4時過ぎ、蘇澳から40カイリ(約74キロ)、台湾側が設定する暫定執法線を5カイリ(約9.3キロ)越えた地点で日本の公船から取り締まりを受けた。日本の規定により、船主が担保金150万円を納付すれば、乗員と船は釈放される。
外交部は29日、中央社の取材に対し、駐日職員からの報告による情報として、同漁船は与那国島から12カイリ(約22.2キロ)の領海で違法操業していたところを海上保安庁の公船に見つかり、取り締まりを受けたと説明。同部として外交ルートを通じて日本側から状況を聞き取るとともに、関心を表明したと語った。また、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)と代表処那覇分処(領事館に相当)もそれぞれ日本の外務省と海上保安庁と交渉し、担保金納付後の早期釈放を求めたと明らかにした。
台湾漁船が日本で摘発されるのは今月に入って2度目。5日には基隆船籍の漁船「福洋266」が奄美大島付近の海域で水産庁の公船に摘発され、日本側から罰金600万6000円を科された。