(台北中央社)定例軍事演習「漢光40号」の実動演習3日目の24日、離島・澎湖県では敵の上陸を阻止するための実弾を用いた訓練が行われた。従来の訓練では安全性を考慮し、火砲の砲口周辺に着弾地点を限定するためのフレームが設置されていたが、この日は使用されず、より実戦を意識した訓練が展開された。
訓練は早朝5時半に開始。指揮系統から部隊に対し、レーダーが澎湖沖で正体不明の飛行物体が接近しているのを捉えたとの通達が入った。携帯式防空ミサイルシステム「スティンガー」が敵機に見立てた無人機を捉え、撃墜するのに成功した。その後も敵の上陸部隊が岸に向かってきたと想定し、火砲や戦車などを用いた訓練が繰り広げられた。終盤には反撃の訓練も行われた。
今回の実動演習は部隊に対してシナリオを明かさずに実施しているため、実弾は台湾本島では安全性を考慮して使わず、離島のみで使用している。この日の訓練ではFGM148歩兵携行式ミサイル「ジャベリン」やM60A3戦車、T75式81ミリ迫撃砲、155ミリりゅう弾砲などが投入された。訓練の様子は全行程がインターネットでライブ配信された。
演習は26日まで行われるが、台湾に接近中の台風3号の影響で、23日から多くの訓練が内容変更や中止となっている。24日の澎湖での訓練も一部を縮小して実施された。