(台北中央社)トランプ前米大統領が16日に公表された米ブルームバーグ通信のインタビューで「台湾は米国から半導体チップビジネスのほぼ全てを奪った」や「台湾は米国に防衛費を払うべきだ」などと発言した。これを受け卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は17日、台湾は自国の防衛や安全保障についてさらに多くの責任を負うつもりがあると述べた。
卓氏はこの日の記者懇談会で、政府はトランプ氏の発言を把握していると言及。台米関係はここ数年非常に強固だとし、台湾海峡やインド太平洋地域の平和と安定は皆の共同の責任と目標だと語った。また米国が常に台湾の安保問題や国際参加などのために声を上げていることに、政府として感謝していると話した。
その上で、台湾が国防予算の安定的な拡充や兵役期間の延長、社会の強靱(きょうじん)性強化にすでに取り組んでいるとし、これらはいずれも国際社会の一員としての責任を示していると説明。このような力を見せ続けることでより多くの国からの支えを得られることを信じているとし、台米間のこれまでの友好関係を維持するだけでなく、さらに良い方向に進められるだろうと期待を寄せた。
報道陣からは仮にトランプ氏が11月の大統領選で当選し、台湾に対して最先端の研究開発拠点を米国に移転させることを要求した場合、政府はどのように対応するかとの質問が挙がった。これに対し卓氏は、台湾はハイテクノロジー産業のサプライチェーン(供給網)で重要な地位にあり、市場や生産拠点は各国に分散しているものの、メーカーは研究開発拠点を台湾にとどめておくだろうとコメント。最先端の技術が台湾に残るのを確信しているとし、それが台湾にとって最も良い選択だとの考えを示した。