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蔡政権8年「中国の挑発に終始冷静に対応」 一貫した両岸政策/台湾

2024/05/18 19:42
蔡英文総統(左)と頼清徳副総統=昨年10月10日の国慶日(国家の日)祝賀式典で
蔡英文総統(左)と頼清徳副総統=昨年10月10日の国慶日(国家の日)祝賀式典で

(台北中央社)台湾では20日、蔡英文(さいえいぶん)総統の2期8年の任期が満了し、同日には1月の総統選で勝利した頼清德(らいせいとく)氏による新政権が始動する。世界が注目する両岸(台湾と中国)関係について、蔡氏がどのようにかじ取りしてきたかにフォーカスし、専門家の意見を交えて紹介する。

蔡氏の任期中、中国は台湾との対話を拒否し、台湾への正規留学や一部の台湾産農水産物の輸入を禁止した他、台湾から国交樹立国を奪い、台湾周辺での軍事活動を活発化させるなど、手段を尽くして台湾に圧力をかけてきた。

北京のけんか腰に対し、蔡氏は「挑発や盲進せず、現状維持」の方針を重ねて表明。また、台湾問題を国際化させ、台湾海峡の平和は世界の繁栄に関わると訴え、国際社会で説得を続けた。その努力が報われ、台湾海峡を巡る問題は世界の経済安全保障に影響を及ぼす問題となった。先進7カ国(G7)が21年の英国サミットから、4年連続で台湾海峡の平和と安定の重要性を強調していることが例として挙げられる。

両岸関係を巡る蔡氏の政権運営について、シンガポール国立大学政治学科の荘嘉頴准教授は「台湾の国際空間拡大を後押しした」と評価。同時に、両岸の交流や対話の可能性を探ろうと、頼氏は20日の就任演説で中国に善意を示すだろうと言及。国際社会に「台湾海峡の不安定な情勢は台湾に原因がある」という誤解をさせてはならないと述べた。

国立成功大学(南部・台南市)政治学科の王宏仁教授も「蔡英文路線を継承する」との頼氏のかつての発言を取り上げ、蔡氏の両岸政策継続に前向きな見方を示した。特に台湾問題の国際化については高く評価し、今後も推進し続けるべきだと指摘。具体的なやり方として非公式ルートの「トラック2」外交や政府職員と民間有識者双方が参加する「トラック1.5」外交の推進が必要だと強調した。

(李雅雯/編集:荘麗玲)

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