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輸入卵、5170万個が廃棄処分 3割超占める=農業部/台湾

2023/09/17 19:45:12
台湾での鶏卵不足を背景に政府は今年7月までの5カ月間に卵を輸入したが輸入分の3割超は廃棄処分に=Unsplashより
台湾での鶏卵不足を背景に政府は今年7月までの5カ月間に卵を輸入したが輸入分の3割超は廃棄処分に=Unsplashより

(台北中央社)台湾内での鶏卵不足を背景に政府が今年3月から7月までに輸入した卵のうち、3割超に相当する約5170万個が破損や賞味期限切れにより廃棄処分の対象になっていることが16日、分かった。農業部(農業省)が同日、輸入卵に関する資料を公開した。

台湾では今年1月以降、寒さや鳥インフルエンザなどの影響で卵の生産量が落ち込み、品薄状態が続いた。法外価格で卵が販売される問題も発生し、農業部は3月から、卵の安定供給に向けて卵の輸入を実施。だが今月に入り、一部の輸入卵の消費期限が誤表記されていたことが発覚し、輸入卵の流通に関して注目が集まっている。

農業部が公開した資料によれば、7月までの5カ月間に輸入した卵は1億4000万個余り。タイ、フィリピン、米国、トルコ、オーストラリア、ブラジル、マレーシアなどから輸入した。このうち2491万個(約17.1%)が洗卵工程を経て市場に出回り、3428万個(約23.6%)が加工用として利用された。3209万個(約22.1%)は在庫分に回された。

賞味期限切れ分や、洗卵や運搬の過程で破損した分は計5402万個(約37.2%)。6月から7月にかけて需要が落ち込み、在庫分に賞味期限切れが相次いだ。この一部の232万個は堆肥として再利用され、廃棄処分される残る5170万個はすでに全数回収されている。

16日の臨時記者会見に出席した農業部の陳駿季(ちんしゅんき)政務次長は、国内の生産量が一定程度安定している場合、農業部は国内の生産者の生計を守るため、在庫分の輸入卵を市場に出すことはしないとの原則を示し、廃棄処分される卵が出ることは免れないと説明。陳吉仲(ちんきちちゅう)農業部長(農業相)は、卵の輸入は消費者の食の安全を追求するとともに、養鶏業者の生計を保障するのが目的であり、現時点での便益はコストを上回っているとの見解を示した。

また農業部は17日、輸入卵の流通について衛生福利部(保健省)と共同で検査を実施し、法令違反の状況がないか調べるとした。

(呉欣紜/編集:名切千絵)

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