(台北中央社)自民党の麻生太郎副総裁は8日、台北市政府を訪問し、蒋万安(しょうばんあん)市長と会談した。蒋氏は、日本の都市と共同で「東アジア都市サミット」を開催したい考えを示し、麻生氏に協力を求めた。
麻生氏は鈴木馨祐衆院議員や中西健治衆院議員と共に蒋氏と面会した。訪問団の到着は15分遅れたものの、双方の会話は弾み、会談時間は予定より長い55分に及んだ。
会談後に取材に応じた蒋氏は、会談の内容は麻生氏の首相在任中の台日関係への貢献や麻生氏が台湾を初めて訪れたのは1960年代で、麻生氏の祖父の吉田茂元首相に同行して蒋氏の曽祖父の蒋介石元総統と面会したことにまで及んだと紹介。双方は台北市と日本の多くの都市との密接な往来について意見を交換し、蒋氏はこの基礎の上で関係を拡大、昇華させたい考えを伝えたと明かした。
麻生氏は9日午前には、鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏と台北市内のホテルで約1時間にわたって面会した。
郭氏によると、麻生氏とは今年4月にも日本で面会しており、今回は麻生氏側から外交部(外務省)を通じて面会を打診された。郭氏は自身が今年5月に発表した「金門平和宣言」の重要性を麻生氏に伝え、意思疎通のパイプを設けることこそが戦争を回避する方法だと訴えたという。
平和宣言では「両岸は一つの中国に属し、どちらが中国かはそれぞれが主張する」という原則の下で、中華民国の立場で中国との交渉を再開し、金門を常設の交渉の場にすることを主張している。