(台北中央社)辞意を表明した蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)の後任に陳建仁(ちんけんじん)前副総統(71)が就く可能性が報じられている。25日付の大手紙「自由時報」によると、陳氏は春節休み(1月20~29日)期間中、蔡英文(さいえいぶん)総統と面会し、行政院長就任の打診に応じたという。
陳氏は1951年、南部・高雄で生まれた。82年に米ジョンズ・ホプキンズ大学で博士号(疫学)を取得。民進党・陳水扁政権で衛生署長(現衛生福利部長=保健相)を務めSARS(重症急性呼吸器症候群)対策に取り組んだ。2016年から20年にかけて副総統として蔡政権を支えた。敬虔(けいけん)なカトリック信者としても知られ、13年にはカトリック教会などに貢献した一般人に贈る「大聖グレゴリウス勲章」を受章した。
19年1月に行政院長に就任した蘇氏は昨年11月の統一地方選で与党・民進党が大敗したことを受け、辞意を示し蔡氏に慰留されていた。だが、今年度の総予算案が成立した今月19日に改めて辞任を申し出た。