東部・花蓮県卓渓郷の養鶏場を2度襲い捕獲されたタイワンツキノワグマが9日、再び自然に返された。クマが他の動物と仲良く暮らし、順調に繁殖できるよう、地元の先住民集落の頭目によってクマの幸せを祈願する儀式が行われた。
林業・自然保育署花蓮分署が9日、報道資料で明らかにした。同分署によれば、クマは昨年10月、同郷にある複数の養鶏場に初めて侵入し、多くのニワトリを食い荒らしたことから職員らが捕獲し、その後、自然に返した。
今年3月中旬ごろ、同地の養鶏場が再びこのクマに襲われ、職員らが爆竹などで威嚇し追い払おうとしたが、徒労に終わったため、また捕獲に乗り出した。たまたまクマが近くのわなにかかったこともあり、順調に保護され動物病院に収容された。
同分署は、クマは若くて元気のいい雄だと指摘。「仲間のいる山に戻る機会をもう一度与えてもいい」という専門家たちの意見を参考にし、野生復帰後の追跡と情報公開という共通認識のもと、地元住民からも同意を得たと説明した。
「また集落に被害をもたらした場合、今度はもう山には返さない」ということも約束した。