台北市立動物園は10日、数カ月前にシンガポール動物園から導入したオスのコビトカバ「Thabo」が同日未明に死んだと発表した。解剖した結果、栄養不良や細菌感染などが原因とみられている。
Thaboは昨年11月19日にシンガポールから台湾にやってきた。台北市立動物園が絶滅危惧種の遺伝子多様性維持のために導入し、一カ月の検疫を経て今年1月19日に一般公開された。
2月11日、右足に傷があることに気付かれ、飲み薬を与えられたが薬の匂いが苦手なため飲むのを拒否し続けた他、飼育員による傷口の洗浄処置などを嫌がり、避け続けていた。
その後も体の複数カ所に腫れが現れたことから、飼育員は創部の洗浄を集中的にに行ったり色々工夫して栄養をつけようとしたが、Thaboは食欲不振が続き、日に日に体力が衰えていった。ここ数カ月、北台湾では気温差が激しかったことも、気温が比較的安定したシンガポール育ちのThaboの治療に悪影響をもたらしたという。
同園は他の個体にリスクを与える環境にないかをはっきりさせようと、Thaboの感染経路を追究し続け、いかにすれば飼育管理を強化できるかを全面的に検討するとしている。
コビトカバは国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストで、野生で非常に高い絶滅のリスクに直面しているとして「危機」(EN)に指定されている。