中部・台中市を走る台湾鉄道の大甲駅でこのほど、ユニークな形の椅子がホームに登場した。地元の産業や特産物から着想を得て生まれたもので、多くの乗客から注目が集まっている。
国際的な社会奉仕連合団体「国際ロータリー」の台湾における会員たちが寄贈した。タロイモをイメージした椅子の間には自転車の形をしたオブジェが置かれており、計3種類ある。それぞれクラシック感のある「盤古号」、産業チェーンと経済発展を示す「前進号」、テクノロジーとイノベーションを意味する「夢想号」と命名されている。
大甲中央ロータリークラブの荘朝輝さんによれば、3種類のうち、もっとも注目を集めているのは「夢想号」。地元出身でカナダ在住の建築デザイナー、洪勤哲さんが手掛けたもので、デザインには生物工学やスマートバイクの概念も取り入れられているという。
台中市におけるタロイモの栽培面積は約881ヘクタールと台湾一を誇る。年間生産量約1万7000トンで、うち45%が大甲産だという。台中は台湾の大手自転車メーカー、ジャイアントの本社所在地でもある。