自然豊かな東部・花蓮県豊浜郷では田んぼまわりの生き物に配慮しその生息環境に与える影響をできるだけ抑えるプロジェクトが進められている。そのかいあって、複数の絶滅危惧種の希少野生生物が再び姿を見せるようになり、農家からは環境保全の成果だと喜びの声が上がった。
林業・自然保育署花蓮分署によれば、同プロジェクトは2年前から始まった。最初のメンバーは5人しかいなかったが、現在は14人に増えた他、長年荒れ放題だった農地が約4ヘクタール再生され、セマルハコガメやカニクイマングース、クロガシラ、カンムリワシ、スッポンなど一時期観測されなくなった種の生息が再び確認されるようになった。
プロジェクトに参加している農家の1人は除草剤や農薬を使うことができないため、手で雑草を抜き取ったりズボンの裾を捲くってスクミリンゴガイを一つ一つ除去しなければならなかったと、そのプロセスの大変さを指摘。「だが、田んぼに保護が必要な野生生物が帰ってきたのを見てとても感動した」と話した。
同県は人と自然が共生できる持続可能な社会の実現を目指し、豊浜郷以外の農家による参加も歓迎するとしている。