南部・高雄市の茄萣湿地でこのほど現地ではめったに姿を見せない冬鳥「ミコアイサ」が観測された。同湿地でミコアイサが確認されたのは初めてで、湿地の生息環境保全に取り組んできた市の努力が実ったと同市は喜びを示した。
同市政府工務局養護工程処によれば、ミコアイサは小型の潜水性のカモ。主にユーラシア大陸の寒帯地域で繁殖し、冬は日本や韓国などで越冬する。台湾は主な越冬地の南縁に位置するため、今までは観察例が少なく繁殖記録もない希少な渡り鳥とされている。
同湿地では毎年10月から翌年4月まで渡り鳥の飛来シーズンとなっている。今年は9月末、すでにクロツラヘラサギが4羽飛来し、例年より半月早かった。その後はカモ科や去年初めて観察されたというヒシクイが相次いで姿を現した。市は「遠路はるばるやってきた野鳥を迎えるため、今後も鳥類にやさしい生息環境を整えていく」としている。
同処のデータによれば、茄萣湿地の他に、中部・彰化県の大城湿地や南部・嘉義県布袋湿地、北東部・宜蘭県内を流れる竹安渓の河口などでもミコアイサの飛来が確認されていた。