写真は個体数の少なさから”神話の鳥”と呼ばれているヒガシシナアジサシ。台湾の離島、馬祖で生息が確認されてはいるものの、ここ2年は姿を見せなかったという。長年、鳥類の生息状況に関心を寄せてきた監督の梁皆得さんは台風や海洋ごみ、人間による生存環境の破壊などで、巣を放棄し逃げ出したのだろうと理由を分析している。
梁監督は20年にわたってヒガシシナアジサシを追い、ドキュメンタリー映画「神話の鳥を探して」を作り上げた。6カ国を駆け巡った貴重な映像だ。次世代を担う子どもに環境保全について理解を深めてもらおうと、7日、北部・新北市の小学校で同作の上映会が行われた。
「理解が深まるにつれ環境保全の重要性が見えてくる。その成功を目指すにはより多くの人々の関心が不可欠だ」と話す梁監督。「今日の鳥は明日の人間(鳥に起こる不幸は将来、人間の身に降りかかるかもしれない)」と指摘、ドキュメンタリーを通じて人々に生態保全の問題に向き合ってほしいと訴えた。
ヒガシシナアジサシは地球上に残っている個体数が100羽を下回ると推定され、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで最高度の絶滅危惧種に分類されている。