(台北中央社)第98回米アカデミー賞国際長編映画賞(旧外国語映画賞)部門の台湾代表に、シーチン・ツォウ(鄒時擎)監督の「左撇子女孩」(Left-Handed Girl)が選出された。文化部(文化省)が28日、発表した。台湾ローカルの特色を強く有する夜市を背景としていることなどが選出理由となった。
「左撇子女孩」は生計を立てるために台北の夜市で商売を営むシングルマザーと2人の娘が、次々と起こるアクシデントと衝突に直面し、それぞれの人生の課題に改めて向き合うことになる―という物語。ツォウ監督の初監督作で、カンヌ映画祭の最高賞パルムドールを受賞した米国のショーン・ベイカー監督が共同脚本を務めた。出演はジャネル・ツァイ(蔡淑臻)ら。
文化部によれば、選考は中華民国電影戯劇協会の委託により、同部影視・流行音楽産業局が請け負った。今年は11作品の中から台湾代表を選出した。
選考委員は推薦理由を「台湾ローカルの特色を強く有する夜市を背景とし、左利きの少女の視点から、成長の過程と伝統的な家父長制から生まれる衝突という問題を描いた。テンポが軽快で、美学スタイルも現代性を有する」とした。
ツォウ監督は台湾代表選出に「この上ない栄誉」と喜びを示し、「『左撇子女孩』は台湾へのラブレターであり、世界に宛てた手紙でもある。映画を通じて多くの人に台湾の力と温もりを知ってもらえれば」とコメントした。
同作は台湾で10月31日公開。11月28日からは米動画配信サービス「ネットフリックス」で台湾や日本などを除く世界の多数の国・地域に配信される。