2024年4月の花蓮地震に出動した経験を持つ災害救助犬「初二」の新たな家族探しが難航している。初二に穏やかな第二の人生を送ってもらいたい台東県消防局は譲渡先の選定を慎重に行っており、ハンドラーの張欽勇さんは「里親探しは娘を嫁に出すような気持ち」と吐露。初二にとって良い家庭をしっかり見極めたいとしている。
昨年、股関節に問題が見つかり、獣医から退役を言い渡された初二。台東県消防局が昨年、引き取り手を募集すると、10組もの一般家庭が名乗りを上げた。同局が面接や家庭訪問を行ったが、「良縁」には恵まれなかったという。
同局の林建誠副局長は、10組中9組が不適切だったと説明。田畑に飼育しようとした家庭や工場の入り口につなぎとめて番犬にしようとした家庭、庭がなかったり、狭い賃貸住宅に住んでいたりする家庭もあった。
条件に合った女性がいたものの、ベビーシッターとして自宅で子どもを保育することになり、預かる子どもの両親に犬を飼うことを認めてもらえず、泣く泣く断念することになった。
張さんは初二のハンドラーとして、被災地での行方不明者の捜索や救助活動に共に当たってきた。「娘のような存在で、命を預け合ったパートナーでもある」。自ら面接や訪問に参加し、ふさわしい家庭を見つけたい考えだ。現在は張さんが初二を自宅で預かっている。
里親はハンドラーや消防局職員が優先され、次に台東県民、その次に他県の住民からの応募を受け付ける。動物の愛護や福祉の理念に賛同し、犬が快適に過ごせる環境が整っており、行政の不定期な訪問にも協力できる家庭が望ましいとしている。


