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ヤクルト育成1位の高橋投手の母「頑張ってほしい」 1軍登板に期待/台湾

2024/05/18 12:52
日本プロ野球入りを間近に控え、野球部の部員とトレーニングに励む鶯歌工商(高校)の高橋翔聖投手(右)=2024年5月8日、新北市
日本プロ野球入りを間近に控え、野球部の部員とトレーニングに励む鶯歌工商(高校)の高橋翔聖投手(右)=2024年5月8日、新北市

(台北中央社)2023年10月に開かれた日本のプロ野球ドラフト会議で、ヤクルトから育成1位指名を受けた、北部・新北市立鶯歌工商の高橋翔聖投手が、今年6月に高校を卒業し、プロ野球界に飛び込む。高橋の母、可奈子さんは、高橋が1軍で投げる日が来るのを心待ちにしている。

「感動ですよね」。可奈子さんは、ドラフト会議の当日、テレビ中継を見ていた時の様子をこう振り返る。可奈子さんも大の野球好き。高橋が野球を始めた頃、制球力があることから「センスはある」という直感はあった。それでもプロの壁は高いと感じていただけに、指名に「まさか自分の子が」と驚いたという。

可奈子さんによると、高橋は子供の時こそやんちゃで落ち着きもなかったが、小学校高学年の頃から「やらなければならないことはちゃんとやる子」になったという。育成選手からのスタート。1軍のマウンドに立つには、2軍の試合に出場しながら支配下登録を勝ち取った上で、1軍昇格の機会を得なければならず、その道のりは長く険しい。可奈子さんは、けがや日本での生活を心配しながらも「入場券はもらえたので、頑張ってほしい。万人がもらえるチャンスではないので」とエールを送る。

高橋の「一番のファン」で、プロ入りを信じて疑わなかったという台湾人の父が、23年7月に病気で亡くなった。可奈子さんは「(もし生きていたら)すごい喜んでくれたやろなぁ」と父の思いを代弁。「(これからも)後押ししてくれるだろうし、見守ってくれて、一番力になってくれる」と涙ぐみながら話した。

台湾の高校に通う生徒が、日本の球団から指名を受けるのは史上初めての快挙。学校関係者からの期待も大きい。

同高野球部の王伝家監督は、中学3年生の高橋を「トレーニングを受けて、フォームを修正すれば、優秀な選手になる」と見込んでスカウトした。高校入学当初はけがを予防し瞬発力を高めるため、まず体重を増やし、関節を強化しなければならないという課題はあったものの、2年生になると顕著な成長がみられた。投球練習はあえて多くせず、別のトレーニングで持久力を高めることに努めた結果、試合時には80〜100球投げられるようになり、ストレートの球速は約130キロから最速151キロまで伸びた。

王監督は、日本では繊細なプレーが求められると指摘。高橋が日本の野球に適応できれば「1軍に上がる能力はある」と太鼓判を押す。育成から支配下、支配下から1軍、そして1軍定着という階段を「高校時代と同じように、一歩一歩進んでほしい」と願った。

(中村充孝)

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