(台北中央社)台湾の史料などの収集・整理に取り組む呉三連台湾史料基金会が、第2次世界大戦に関する写真や文章の提供を広く一般に呼びかけている。来年戦後80年を迎えるのに当たり、台湾の運命に影響を与えた歴史の再構築を通じた台湾人の歴史観形成に期待が寄せられている。
台北教育大学台湾文化研究所の何義麟教授は、7日に台北市の台湾新文化運動記念館で開かれた記者会見の席上、第2次大戦は台湾の長い苦難だったとした上で、終戦後に日本から国民党へ統治者が変わる中で、多くの人々は勝ったのか負けたのか分からずにいたと指摘。台湾の歴史の記憶は抑圧を受け、この戦争の経験も語られることはなかったとし、改めて記録する必要があると訴えた。
詩人の向陽さんは、長い間植民地支配を受けた結果、台湾社会には身分や土地のアイデンティティーに対する焦りが充満し、一つのことに対しても各界で異なった解釈があると指摘。写真やオーラルヒストリー、専門家の努力を通じて全国民が改めて過去を振り返れば、この期間の歴史の共通認識が生まれるとの認識を示した。
同基金会では約80の文章や写真をまとめ、来年8月15日に発表するとしている。