(台北中央社)台湾の選りすぐりの文芸作品を集めた「台湾文学コレクション」の刊行を記念したトークイベントが26日、福岡市内で開かれた。台湾の作家、ホワン・リーチュン(黄麗群)さんと、台湾にルーツを持つ直木賞作家、東山彰良さんが登壇し、2人は作品執筆で感じたことなどを語り合った。会場には多くの台湾文学ファンが来場した。
台北駐日経済文化代表処台湾文化センターと紀伊國屋書店が共同で企画した。「台湾文学コレクション」は全3巻からなり、今夏に早川書房から刊行された。第1巻は「近未来短編集」と題され、ホワンさんを含む8人の作品が収録されている。
ホワンさんは、小説とは人間が遠くを想像するものだと指摘しつつ、現在はインターネットや算法の発達により、人々はすでに「遠いところがない」時代を生きていると言及。小説家にとっては、真実を打ち破って新たな物語を見つけるのがますます難しくなっているとし、同短編集が表しているのは、この世界に対する30~50代の台湾作家たちの反応だと話した。東山さんも同短編集の刊行を高く評価した。
トークイベントは27日、東京の紀伊國屋書店新宿本店でも行われた。ホワンさんに加え、台湾文学コレクションに携わった編者と訳者が出席し、シリーズ全3巻の魅力を紹介した。